「パクノダさんデートしない?」
椅子に座りながら雑誌を読んでいた私の前で、にこりと笑ったの服装に笑いが思いもかけず込み上げた。黒いスーツの下に白いシャツ、黒のネクタイに黒いエナメルの靴、胸には白いハンカチがいれてある。髪はポマードで団長みたく決めてあって(将来はげるわよ。)可愛いと言えば可愛いけれど。男装のつもりなのかしら。
「あのね、こないだ懸賞に当たってね豪華ホテルのペアチケ貰ったの!だからいこ、ね!ね!」
読み掛けの雑誌を机に置くと、パクノダさんが足組むとセクシーだよねとは再び笑った。
「どうしようかしら。」
「いこうよ、ただですよ!しかもすっごい温泉もあるの!」
が大声で言ったので奥の部屋からフィンクスとノブナガがやって来た。
「何の話だ。」
二人はがひらひらして遊んでいたチケットをひょいと奪うとにやりと笑った。
「またやらしいこと考えてるのね。」
やらしいことなんか考えてねーよとノブナガが私を睨んだ一瞬の隙にフィンクスがの頭を撫でながら、
「俺が一緒に行ってやるよ。」
と言った。
「いや、俺が行く。」
ノブナガも負けじとそう言う。やっぱりやらしいこと考えてんじゃない、大方とホテルで温泉プレイでもしようって魂胆ね。これだから男って嫌だわ。
「やーだー!だってフィンクスさんもノブナガさんもモラルにかけるのだもん。それにその格好じゃいれて貰えませんよ。」
「おめーだってモラルのかけらもねぇじゃねぇか。」
「服ならそのへんから盗って来るぜ。」
「やーでーす。私はパクノダさんと思う存分イチャイチャしたいんです。」
「・・・・。」
「個室の温泉もあるんですよー。しかもお酒がすごくおいしいの。」
ノブナガとフィンクスが後ろでどちらが行くか揉めている間にチケットを奪取したは嬉しそうに、子犬みたいなへにゃりとした力の抜ける顔で笑った。
「お願いパクノダさん!今残ってる面子でモラルがあって品があって美人でグラマーなのはパクノダさんだけなの。」
「あの二人じゃ駄目なの?」
「下品じゃないですかー」
「誰が下品だこら。」
「やー殴らないでー」
言い争いを始めた三人を横目に私は再び雑誌のページをめくる。あと数ページで読み終わる。そしたらホテルにいく荷物を準備して車を調達したらあの子に飲酒運転だけはしないように言わなきゃ。
(久し振りに楽しい夜になりそうだわ。)


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